3年にわたり、有馬温泉の老舗旅館で販促施策・マーケティングに従事し、その後は単身オーストラリアに渡った久永さん。さらにはアジア諸国でさまざまなカルチャーを吸収し、WALL SHAREに参加しています。そんな久永さんのミューラルアートへの思いをまとめました。
元々ストリートカルチャーに興味を持っていた久永さんは、ワーキングホリデーで渡ったオーストラリアで、さまざまなアートに触れたそう。メルボルンには、自由に絵を描くことを行政が認可している「ホイザーレーン」という区画があり、壁だけでなくゴミ箱にまで絵が描かれており、衝撃を受けたそうです。
「そこでは絵が毎日更新されていたり、マスターピース(完成度の高い作品)もあったりと、すごい場所だったなぁ。その後はアジアも旅したんだけど、街にミューラルが当たり前にあるなって感じたんだよね。」そう語る久永さんが、日本に帰国してもっとも驚いたのが「日本って全然色味のない国だな」ということ。これを機に、久永さんはよりミューラルに興味を持つようになったのです。
そこからWALL SHAREに参加することになった久永さんですが、「代表の川添がミューラル事業のアイデアを話してくれて、一緒にやろうって誘ってくれたのがキッカケ」とのこと。日本にはミューラルが少ないと感じており、純粋に面白そうだと感じたことから、WALL SHAREの事業を手伝うことになったそうです。
WALL SHAREの創業当時はコロナ禍でしたが、久永さんはそのとき「外に人がいないのに、ミューラルを描いて欲しいと思ってくれる人はいるのかな…」という焦りと不安を感じていたそう。当時は商業施設が休業しており外出の機会も減り、人の流れも激減していたタイミングだったのです。
しかし、コロナ禍で注目された「おうち時間」の活用で、音楽やアートに触れる機会が増えた人も増えたのも現実。それを見て、「こういうときこそミューラルじゃない?」という自信のもとに、久永さんはアートを盛り上げる活動を進めています。
そのひとつが飲料メーカーとのプロジェクトであり、コロナ禍で休業している飲食店のシャッターにアートを描き、店のオーナーに賃料を払うという企画も誕生。「コロナ禍で落ち込んでいるときだからこそ、力を合わせて盛り上げるようなアクションにもつながったかな」と、久永さんは話します。
これからやってみたいことについて、「初めてミューラルに触れる人を増やしていきたい」と語る久永さん。ミューラルがまったくないような場所にも、どんどん足を運びたいと思っているそうです。
以前、富山へ行ったときにミューラルを初めて見たおばあちゃんが「生きているうちに見られて良かったわ」と話しかけてくれたそう。その経験を「ちょっと人生に触れた感じがして、嬉しい気持ちになったんだよね」と話す久永さんは、もっと大きな壁にミューラルを描き、アートに触れる人を増やしていきたいと考えています。
ミューラルアートを広告などに取り入れたいと考えている方は、ぜひ一度久永さんとお話してみてください。
壁の確保から、その場所・コンセプトに相応しいアーティスト選定、そしてアーティストが最大限クリエイティブを発揮できる環境作りを行うミューラルプロデュース会社。
アディダス、AVIOT✕アイナ・ジ・エンドなど、「ミューラル広告と言えば」で思い当たる多くのアートを手掛け、その数は2025年1月現在で170にものぼる。