シャッター広告を出すことにはどのようなメリットがあるのか、費用相場や具体的な事例と共にご紹介します。
シャッター広告とは、商店やビルのシャッターに描かれる広告の一種。店舗が営業していない時間帯や閉店時に、シャッターに描かれる広告やデザインを指します。
ミューラルアートに比べて規模は小さいですが、視覚的なインパクトや地域性を活かした広告手法として、近年注目を集めているシャッター広告。とくに日本の都市部や商店街では、視覚的効果を期待した広告がよく見られるのが特徴です。
シャッター広告に描かれる内容は、店舗の商品やサービス、ブランドロゴ、イベント情報などが一般的。店舗のシャッターが閉じている営業時間外でも、人目を引く広告として機能することが特徴です。
自社店舗やブランドの広告ではなく、第三者の商品やサービスを掲出しているケースもあります。これは、第三者の企業やブランドにシャッターを貸し出すスタイル。自社店舗やブランドを持たないエリアにも、広告を出すことが可能です。
シャッター広告の最大のメリットは、店舗が閉まっている時間帯でも広告効果を発揮できるという点。シャッターは、閉店後も通行人や車に乗る人などの目に留まるため、24時間広告として機能するのです。これにより日中の来店者だけでなく、夜間や早朝に通行する人々にもメッセージを伝えることができます。
シャッター広告は、一度描けば長期間にわたって効果が持続するため、コストパフォーマンスが高め。とくに定期的なメンテナンスや更新が少ないため、他の広告媒体に比べてランニングコストが低く、長期的なプロモーションに適しています。
シャッター広告は、商店街や地域密着型のビジネスに適しており、地元の顧客に強くアピールすることが可能。地域の雰囲気に合わせたデザインを取り入れることで、住民や常連客との関係を強化する効果も期待できます。
お店のコンセプトやブランドイメージを反映させたシャッター広告は、通行人に強い印象を与えることができます。とくにデザイン性の高いシャッターは、周囲の街並みにも溶け込みやすく、店舗や企業のブランディングを強化する手段として有効です。
シャッターにデザインや広告を施すことで、落書きや破損の防止も期待できます。カラフルで美しいデザインのシャッターは落書きされにくく、結果的に防犯効果にもつながりやすいのです。また、シャッター広告は定期的なメンテナンスが施されるため、街の美観維持にも寄与します。
シャッター広告の費用は、デザインの規模や複雑さ、アーティストの知名度、使用する塗料の種類などによって異なります。気になる費用ですが、一般的には以下のような価格帯が想定されます。
この費用には、デザイン料・塗装料・塗料費などが含まれますが、詳細な価格は依頼する業者やアーティストによって異なります。また、耐候性の高い素材を使用する場合や、特殊なデザイン(3Dエフェクトなど)が含まれる場合は、追加費用が発生することもあります。
シャッター広告は、ミューラルアートや屋外広告物と同様に、地方自治体の「屋外広告物条例」に従う必要があります。とくに広告内容・サイズ・色彩に関しては地域によって異なる規制があるため、事前に確認し、必要な許可を取得することが重要です。
また、シャッターは風雨や直射日光にさらされるため、使用する塗料やデザインの耐久性を考慮することも重要です。屋外用の耐候性のある塗料を使い、劣化しにくいデザインを選ぶことで、長期間にわたり美しい状態を保つことができます。また、定期的なメンテナンスを行うことで、シャッター広告の寿命を延ばすことができるでしょう。
渋谷駅から徒歩1分の場所にある山路ビルは、1階に75年続いた「古書サンエー」(2022年6月に閉店)、2階にオーナー自らが手がける古本屋「Flying Books」が併設されています。
この山路ビルのシャッターに描かれた作品は、リラクゼーションドリンク「CHILL OUT」と共同で行った、CHILL ARTプロジェクトの一環。このプロジェクトは、コロナウイルスで影響を受けた渋谷の街を、アートで活性化するために立ち上げられたものです。
オーナー様がこのプロジェクトに協力しようと思ったキッカケは、「クオリティの高い作品がまちに増える部分に面白さを感じたから」だそう。また、事前資料でWALL SHARE株式会社のPHILさん・FATEさんの制作実績を見て、「完成度の高い作品を描いてもらえる」という信頼感も決め手になったそうです。
シャッター広告の完成後は、PHIL氏・FATE氏の描いた写実的で立体的な作風のミューラルに感銘を受けたオーナー様。作品を目にした人の中には、アートではなく写真だと思っている人も多かったそうです。元は普通のシャッターだった所から、ミューラルを通じて今までにはなかったような会話が生まれる、そういった部分にも面白さを感じたとのことです。
壁の確保から、その場所・コンセプトに相応しいアーティスト選定、そしてアーティストが最大限クリエイティブを発揮できる環境作りを行うミューラルプロデュース会社。
アディダス、AVIOT✕アイナ・ジ・エンドなど、「ミューラル広告と言えば」で思い当たる多くのアートを手掛け、その数は2025年1月現在で170にものぼる。